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人工授精と体外受精の違いと成功率!不妊治療の基礎知識

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人工授精と体外受精の違いと成功率!不妊治療の基礎知識

日本は世界で一番体外受精が行われている国です。

しかしその成功率は治療数に対し12%。これは世界平均の23%を大きく下回る、最低レベルです。

理由は日本の不妊治療のレベルが低いからではありません。

日本では、不妊の原因が病気などの特別な理由ではなく、年齢にともなう「卵子の老化」であるケースが多いためです。

体外受精は本来、病気や受精障害で妊娠しづらい人向けの治療法ですから、卵子の老化に抵抗することはできません。

「30代や40代でも、不妊治療を受ければ誰でも妊娠できる」というのは幻想であることを覚えておいてください。

また「なるべく薬を使わず周期を見て自然妊娠したい」と考える人が多いのも日本の特徴です。

欧米と違い、日本では年齢が上がっていても排卵誘発剤などを使わない自然な妊娠を望む人が多くいます。

もちろん不妊治療をしながら、なるべく薬を使わないで自然に妊娠した人たちもいますから、どの方法が一番いいかは決められません。

しかし「卵子の老化」の知識を持たないまま「自然な妊娠」だけを望むのは、結局お金や時間を失うことなる可能性があります。

今回は

・不妊治療とはどんなことをするのか

・不妊治療の限界はあるのか

・体外受精の年齢別の成功率

を見ていきます。

不妊治療には4つのタイプがある

不妊治療には4つのタイプがある

不妊の定義は「避妊していないのに1年~2年妊娠しない状態が続くこと」です。

2年以上と言われることもありますが、今は結婚する年齢が上がっているため、30代で1年妊娠しなければ不妊外来に行った方がいいでしょう。

不妊外来では妊娠をさまたげる病気がないかなどの「不妊検査」を行ったあと、次の4つの方法を順番に試していくことになります。

・タイミング法

・人工授精

・体外受精


・顕微授精

年齢によっては前半を飛ばしてすぐ体外受精から始めたり、複数の方法を組み合わせる場合もあります。

この中でタイミング法と人工授精は「一般不妊治療」と呼ばれ、精子と卵子の持つもともとの力に頼った自然妊娠に近い方法です。

一方、体外受精と顕微授精(けんびじゅせい)は「高度不妊治療」と呼ばれ、体内から卵子を取り出し受精させます。

体外受精・顕微授精は料金も数十万円と高くなるため、どの治療をどのぐらい続けるかは、お医者さんとよく相談して決める必要があります。

最初に試す価値があるタイミング法

タイミング法と人工授精は、精子にじゅうぶんな数や運動量があり、また女性の体にも受精をさまたげる病気がない場合におこなわれます。

タイミング法とは簡単に言うと

・超音波検査(エコー)で卵巣を確認し排卵のタイミングを予測する

・排卵のタイミングでセックスする

これを繰り返すことにより妊娠しやすくする方法です。

薬を使って排卵をコントロールし、確率を上げることもあります。

排卵日については自分で基礎体温を計ったり排卵検査薬を使うことである程度予測は可能ですが、やはり超音波検査で確認するほうが精度は高くなります。

自己流で妊娠しなかった人が、きちんとタイミング法をおこなうだけで自然に妊娠できることも多いのです。

体もお金も少ない負担でできる人工授精

人工授精は、採取した精子をやわらかい管を使って子宮の中に注入し、奥の卵管にいる卵子に届きやすくする方法です。

次のような場合に有効です。

・タイミング法でなかなか妊娠しない

・精液検査で数や運動量などに少し不安がみられる

・膣と子宮の間の子宮頚管に問題がある

人工授精は費用も1回で数万円と、体外受精に比べ負担が軽いです。

人工授精の成功率は体外受精より低いとも言われていますが、体外受精にステップアップする段階で人工授精をやめてしまう人がほとんどなため、正確にはわかりません。

特に年齢が上がってくるとタイミング法、人工授精にそこまで時間はかけず、早く次の段階へステップアップしていくことが多くなります。

もし体外受精の経済的、身体的負担が多く続けられないと思ったら、もう1度人工授精に戻ることもできます。

保険がきかず高額な体外受精と顕微授精

保険がきかず高額な体外受精と顕微受精

体外受精と顕微授精はいずれも卵子を体内から取り出し、受精させてから体内に戻す方法です。

2つを合わせて「体外受精」と呼ぶ書籍やサイトもあります。

この「妊活アリビオ」でも、タイミング法、人工授精と区別する目的で2つ合わせて「体外受精」と呼んでいます。

どちらも専門的な技術や設備が必要となり、保険も適用されないため費用は数十万円以上かかちます。

それも1回の値段です。

「そんなにお金がかかるなら、最初はタイミング法や人工授精でがんばって、どうしても無理なら体外受精に切り替えよう」

そう思いたくなりますが、残念ながら体外受精も顕微授精も、卵子の老化に勝つことはできません。

さらに体外受精はタイミング法や人工受精のように毎月試せるものではないため、時間もかかります。

不妊治療を始めたら、「いつ体外受精にステップアップするか」も考えておいた方がいいでしょう。

精子と卵子を出会わせる体外受精

体外受精は、体から卵子を取り出し、そこに精子をふりかけて受精させる方法です。

精子に自力で卵子にたどり着く元気がなかったとしても、この方法だと目の前に卵子がいるわけですから、人工受精よりも高い確率で受精できます。

実は毎日作られている精子も、老化により数が減ったり、子宮の中を泳ぎ抜く力が失われていったりします。

ですから不妊治療をおこなう上で、男性の精液検査もとても重要になります。

女性だけがかんばって検査を受け、タイミング法を試していても、精子に元気がなければ成功率は下がるのです。

不妊治療を始めるなら最初の段階で男性の精液検査もしておきましょう。

家でとった精子でも数時間以内なら検査可能ですし、費用も1000円程度ですみます。

精子を卵子の中に送り込む顕微授精

顕微(けんび)受精では、取り出した卵子に直接1つの精子を注入して受精させます。

精子が自力で卵子に入っていく力がないときや、精子の数が少なくて受精できないときに有効です。

ただし、体外受精も顕微授精も手助けできることは「受精させるまで」です。

そこから無事妊娠できるかは「卵子の老化」が大きく関係してきます。

卵子が受精してからの流れ

体外受精や顕微授精では以下のような流れで妊娠にいたります。

1 排卵誘発剤を使って受精可能な卵子を複数育てる
2 卵子に精子を受精させる
3 薬を使い、子宮に受精卵が着床しやすいよう準備しておく
4 受精後、きちんと細胞分裂した卵子があれば子宮に戻す

大事なのは「受精したかどうか」よりも、最後の「順調に細胞分裂しているかどうか」です。

医療の力を使って受精まではできても、そこから胎児に育つための分裂ができるかどうかは卵子の質にかかっています。

自然な排卵であっても薬を使った排卵であっても、卵子が必ず「妊娠できるいい卵子」であるわけではありません。

若い頃から、きちんと排卵して生理が来ている人でも、中には「妊娠しない卵子」が混ざっています。

そして年齢が上がるにつれ質の低い卵子の割合が増えていくのです。

高度な不妊治療でも、受精後の卵子の成長をよくしたり、無事に出産まで行く保証はできません。

年齢とともに下がる体外受精の出産率

年齢とともに下がる体外受精の出産率

体外受精と顕微授精を使った人がどのぐらいの割合で出産しているのか、年齢別のデータを見てみましょう。

年齢 出産率
30歳 23%
35歳 18%
40歳 8%
45歳 1%

※受精しなかった場合も含む総治療数に対しての割合
(参照:日本産科婦人科学会「ARTデータブック2012年」

厚生労働省によると、日本人の平均初産年齢(初めて出産する年齢)は30.1歳。

では30歳での体外受精と顕微授精の出産率はどうなっているかというと、治療した人のうちの23%が出産に至っています。

卵子が受精し、そこから順調に育ち、さらに出産できるのが全体の4分の1ほどということです。

出産率は年齢とともにどんどん下がっていき、特に35歳から40歳への下がり方が大きいです。

だからといって誰もが35歳から産みにくくなるわけではなく、もっと遅くまで産めたり逆に早くから産みにくかったり、個人差があります。

そして40歳を超えるとさらに出産率は下がります。

TVでとりあげられる40歳以上の有名人の出産が、めずらしいケースだということがわかります。

流産率は年齢とともに上がっていく

出産率が下がる一方で、残念ながら流産率は上がって行きます。

同じ日本産科婦人科学会のデータで、体外受精と顕微授精をおこなった人の流産率を見てみましょう。

年齢 流産率
30歳 6%
35歳 8%
40歳 14%
45歳 24%

※治療により妊娠した総妊娠数に対しての割合。
(参照:日本産科婦人科学会「ARTデータブック2012年」

こちらは40歳からの確率がぐんと上がっています。

つまり40歳以降は、せっかく治療で妊娠できても生まれる前に流産してしまう確率が増えるということです。

45歳では妊娠した人の約4分の1が流産し、出産できるのはすべての治療者の中で1%だけという厳しい数字になっています。

どんな最新技術も「年齢の壁」を越えるのは難しい

どんな最新技術も「年齢の壁」を越えるのは難しい

体外受精や顕微授精といった高度な不妊治療は、最新の技術を使ってできる限りのことをやっていきます。

しかしどんなに最新の技術をもってしても越えられないのが、「年齢の壁」です。

では子どもを望むなら早い段階から高度な不妊治療にステップアップしていけばいいのでしょうか。

年齢が上がるほど状況は絶望的になっていくのでしょうか。

確かに年齢は、妊娠力が下がる大きな原因であることはまちがいありません。

しかし今の世の中、子どもがほしいと思った時期にうまく結婚できなかったり、結婚していても仕事や収入の折り合いがつかず先延ばしになったりすることも珍しくありません。

私自身も33歳で結婚しました。

「子どもを産む」ということだけを考えたら20代前半で結婚し、1人目を出産しておくのが一番スムーズな方法になるでしょう。

でも自分が20代前半のころを考えると、大学を卒業し社会に出たばかりで、そんな余裕は精神的にも金銭的にもありませんでした。

「あの頃の自分に、卵子の老化の知識があったらどうしていただろう」と考えることもありますが、どうしたって過去の時間は戻りません。

これからの時間を有意義に過ごすために、今から何ができるでしょうか。

あなたに合うクリニックはあなたにしかわからない

ひとことで「不妊外来」といっても実にさまざまなクリニックがあります。

自然妊娠に力を入れているところから、年齢が高いと最初から体外受精をすすめられるところまで、医師の方針によって千差万別です。

単に「口コミがいいから」「評判だから」という理由だけでクリニックを決めてしまわないで、一度受診してみて「合うかどうかを自分で感じる」ことが大切です。

あなたの話をしっかり聞いてくれるかどうか、治療についての説明を不安がなくなるまでしてくれるかどうか。

評判がよくて予約が数ヶ月待ちになっているクリニックの医師がすばらしいかというと、そうとは限りません。

不妊は原因が多岐に渡るため、一人ひとりに合った方法を探さなければいけないのが現状です。

「年齢が高いから」「体外受精の方が可能性があるから」という単純な理由で全員に同じ治療はできないものなのです。

クリニックに行ってみたけれど自分の考えと合わないなあ、と感じた時は思い切って病院を変えてみるのもいいでしょう。

不妊治療は自分の心との対話

不妊治療は自分の心との対話

「まだ30代に入ったばかりだから産めるはず」

「知り合いのあの人は40過ぎて産んでたから私も」

「出産率が下がるから、35歳までにはなんとかしなくちゃ」

不妊治療において希望を持つことは大切ですが、数字だけを見て「まだ大丈夫」とか「もうダメだ」と思うことに意味はありません。

35歳を過ぎているからと納得しないままに高いお金を払って体外受精をしたり、反対にまだ若いからとタイミング法を何ヶ月もくり返したり。

お医者さんは数字や検査結果を重視して治療を進めますが、それがあなたの心と合っていないのなら、遠慮せず相談してください。

患者の声に聞く耳を持たず、機械的に進めるだけの医師だったら、納得した治療は受けられないかもしれません。

納得していないことにお金や時間をかけ続け、あげくにもし結果が出なかったら、あなたの心は壊れてしまうのではないでしょうか。

不妊外来のお医者さんはカウンセラーではないので、「治療内容は信じられるけど根拠のない不安に襲われてしまう」という時は、ため込まないで身近な人に話をしてください。

誰もいなければ紙に書くのだってかまいません。

出口が見えず、努力しても成功するかわからない不妊治療を続けることは、体だけでなく心にも強い負担がかかります。

最近笑顔が少ない、イライラしてパートナーとケンカばかりしてしまう…。

そんな状態に疲れたら、一度治療を休んでみるのも1つの方法です。

体外受精をいったんストップして、その間にもう一度人工授精やタイミング法を試すことだってできます。

妊娠率を上げるにはあなたの体だけでなく心も健康であることが一番です。

どの方法があなたにとって最良であったかは、妊娠してみないとわかりません。

まだまだがんばりたいと思うなら、長いレースを走りきるような気持ちで、ちゃんと休みながら進んでいってくださいね。

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